2009年4月19日日曜日

宛城の少女


中国西晋。建興3年(西暦315年)。八王の乱の後、中華帝国は空前の乱世、五胡十六国時代を迎えようとしていました。兵家必争の要衝、宛城は反将 杜曽 (とそ)の強兵三千騎に包囲されます。城内には僅か一千足らずの守兵。城外の住民を収容し、城はもって十日...どこかへ援軍を要請するしかありません。 唐の張九齢(ちょうきゅうれい)の伝書鳩考案はこれより四百年後です。宛城の太守荀崧(じゅんすう)は考えあぐねます。「誰を派遣すべきか…」。彼自身は洛陽脱出の折、匈奴兵との戦いで騎行に耐えられません。知己の守る襄陽(じょうよう)城までは三百三十里。敵兵の囲みを突破できても 執拗な追撃が予想されます。あまりにも危険です...

荀灌(じゅんかん)はその大任を買って出ます。荀崧の娘・荀灌は僅か13歳....



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