第30回「女たちの上洛」
上杉軍は越後に凱旋する。久方ぶりの故郷では娘がすくすくと育っていた。誰もが戦のない世の到来を喜んだ。
秀吉は諸大名に正夫人を上洛させるよう命ずる。体のいい人質であることは誰の目にも明らかだった。景勝は私情を抑え、上洛を求めるが菊姫は拒む。再度の上洛の折りに伴うことは叶わない。秀吉は「この儀ばかりは目こぼしならぬ」と譲らない。
お船は説得の為、日参するが菊姫の心は頑なだった。お船は俄かに産気づき、そのまま出産する。菊姫はお船が気がつくまで、赤子を抱いていた。この時代に生きる女同士、菊姫は心の内を少しづつ話し始めるのだか…
その頃、京では利休が蟄居を命ぜられていた…
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今回はこれまであまり出番のなかった菊姫を知ることができました。何故、上洛を拒むのか。この時代に国主の妻となった女性は役割と気持ちの狭間で悩み抜いたことと思います。自分の気持ちを素直に口にできないことを責めることはできないでしょう。お船の産んだ赤子をあやす菊姫の笑顔を見て、ほっとしました。
利休の切腹には秀吉の破滅の兆しを見る思いでした。理と情。その片側を欠く豊臣の世の危うさを感じます。
「この世は人で出来ておるのだ。人には情がある。情を忘れれば人はついて来ぬ」
この回の隠れたテーマは「情」ではないでしょうか。
2009年7月26日日曜日
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寡黙な景勝が思いを言葉にしたことが、菊姫にとって京でのもう一つの支えになればいいと思います。
返信削除「頭を下げてでも守らねばならぬものがある」
返信削除「その一方、頭を下げれば守れぬものもございます」
景勝と利休の言葉は本質をついていますね。