2009年7月3日金曜日

バルト海の復讐

1226年 神聖ローマ(ドイツ)皇帝フリードリヒ2世はリューベック市に「帝国自由都市特権状」を下賜。リューベック、ヴィスマル、ロストクの三都市間同盟に北ドイツ諸都市も相次いで加盟し、巨大な自由経済圏が出現した。

1492年冬。
主人公の名はエリック。親友のブルーノ、力自慢のマグヌス、太っちょのメテラーらを伴い、一本柱帆船(コツゲ)に乗り込む。亡くなった祖父の忠勤が認められ、船長に抜擢されて初めての出帆。航海の目的はリトアニアの琥珀の買い付け。大きな仕事を任され、張り切ったのだが、エリックは冬のバルト海に投げ込まれてしまう。陸の方向も分からない夜の海… ポセイドンの生贄となるところ、辛くもブローテン断崖に辿り着き、謎の老婆に助けられるのだが…

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世界史の教科書は小説やドラマのファンにとっては楽しいものですね。それぞれの時代に出現する、偉大な才能や新しい社会の在り方にはワクワクさせられます。人の歴史はどのページも戦争で占められていて、歴史の研究はまるで"戦争の研究"のようであることは私も「同感」です。…それでも、ハンザ同盟や薔薇戦争、オーストリア・ハンガリー二重帝国(アウスグライヒ)などの魅力的な「名詞」には想像の翼が羽ばたきます。この物語は、大航海時代以前の未だ貧しいヨーロッパが舞台です。ハンザ同盟の盟主リューベック市や古都アウグスブルクは、いずれ訪ねてみたいものです(^^)v

田中芳樹氏のファンとしては、作中に登場する名詞に思わずニヤリとさせられました(笑)
・赤髭皇帝(バルバロッサ)
・リューベック
・リューネブルク
・ベルゲン
・帝国騎士(ライヒスリッター)
・聖なる避難場所(アジール)

…さて、黒猫の「白」(ヴァイス)は誰についていくのかな?
"狐のラインケ"も読んでみたいものですwww

バルト海の復讐(2001年)

1 件のコメント:

  1. "アウスグライヒ"は「カルパチア綺想曲」に出てくるのでmいずれ書くつもりです(^^)

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